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| 富士川水系甲六川 | |||||||||||||||||
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| 南アルプス北岳 標高3192 | |||||||||||||||||
明け方、中央道小淵沢I.Cを下りた。 調布I.Cを出発して、八ヶ岳PAで朝まで仮眠をとった。 夜の中央道の魅力の一つに、甲府盆地の夜景がある。東京の夜景程ではないが、結構綺麗で、私のお気に入りだ。 車の助手席に彼女を乗せて夜のドライブとシャレこむには、とても良いコースだ。 結婚前、ドライブが好きだった私は、女房殿を連れてこの道を何度か走ったことがある。女房殿は夜景に釘づけで、そんな女房殿の横顔をチラチラ見ているだけで私は満足だった。 あの頃の新鮮な気持ちを思い出し、私の顔がほころぶ。 「ナニ、ニヤニヤしてんの、大物でも釣れたのか」孝井さんに見られてしまった。 しかしこのオッサン、寝ても覚めても釣りのことしか頭にないのか。ヒトがせっかく淡い思い出に浸っているというのに……。まったく野暮なオヤジだ。 |
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| 甲六川の流れ | |||||||||||||||||
山梨県と長野県の県境を流れるこの川は、八ヶ岳山系に源を発し、釜無川へと流れ込む。川幅は狭いが、人工物が非常に少ない。落ち込みが随所にあり、ポイント選びには困らない。アタリもそこそこあるので、飽きることなく釣りが楽しめる、アマゴの渓だ。 |
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| 新緑に萌える渓 | |||||||||||||||||
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| 渓が新緑に萌え、清流には生命が躍動する。 春の麗かな陽気に包まれて、釣り遡る我々の足取りも軽い。 仕掛けの投入しにくい倒木の下の程よいトロ場から中型のアマゴがでた。 周囲に気を配り、仕掛けをそっと入れる。餌が沈みきる前に強い引きがあり、すかさず合わせると、激しい振動が腕に伝わってくる。アマゴはまるで春の陽気に誘われるように、明るく飛び跳ね、トロ場を縦横に走り回った。20センチ程の成魚だった。体は透明で赤い斑点が太陽の滴のように美しかった。 爽やかな春の風が頬を一撫でして通り過ぎていった。 なんて、満ち足りた気分だろう。 |
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| 木に巻きつく木 | |||||||||||||||||
私が渓流釣りにのめり込んでいったのも、渓が自然を満喫できるフィールドだったからだ。 小さい頃から父に連れられて、海や川に釣りに行った。友達とも、自転車で片道1時間かけてコイやフナ釣りにもよく行った。魚が掛かったときの『引き』に、いつも気持ちが高ぶった。これが、私の釣りの原点かもしれない。 初めて渓流釣りに行ったのは、20歳の時だ。当時、仕事で知り合った孝井さんに連れられて、山梨県の渓流に行った時、初めて手にしたヤマメの美しさに、渓流釣りのトリコになってしまった。渓流釣りを始めた頃は、ヤマメに遇いたくて夢中で渓流釣りに出かけた。 何シーズンかして、余裕がでてきたのか、釣り場の周囲に目を向けられるようになり、渓流釣りに対する考え方が変わってきた。自然という大きな観点のなかで、釣りをどう考えるかが大切なのではないかと、思うようになったのだ。『鳥が鳴いている』とか『草花がある』とか『動物がいる』とか『風が吹いている』とか、そういった相対的な自然のなかで、渓流釣りが成立しているのだと感じるようになったのだ。 それ以来、渓に居ることがたまらなく好きになった。 |
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| 倒木の下のポイントに竿を出す孝井さん | |||||||||||||||||
雪代の過ぎた甲六川に、今が盛りの春が来た。 数々の生命を育む春が来た。 ふと、上流に目を向ける。 孝井さんが、木化けよろしく竿を振る。遥かなる八ヶ岳を背に竿を振る。 2001年4月下旬 |
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| 渓脇に咲くヤマブキ | |||||||||||||||||
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| 頭がちょっと見える駒ヶ岳 標高2966 | |||||||||||||||||
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